民法1-11 代理 2007年問27 / 行政書士試験の勉強は、開業の準備をしてから始めよう

AがB所有の土地をCに売却した場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1、AがBから土地の所有権を取得して、Cに移転できない場合、Cは、契約時にAに土地の所有権がないことを知っていたとしても、契約の解除ができる。
2、Cは、悪意又は有過失であっても、20年間、所有の意思をもって平穏かつ公然とBの土地を占有継続すれば、Cは土地の所有権を時効取得する。
3、AがBの代理人と称して、売却した場合、代理権の無いことを知らなかったCが、この売買契約を取り消せば、Bはもはや、Aの代理行為を追認することはできない。
4、AがBの代理人と称して売却した場合、Cは、Aの代理権がないことを過失によって知らなかったとしても、無権代理を行ったAに対して、責任を追及できる。
5、所有権者Bが自らA名義で登記をして、虚偽の外形を積極的に作出し、そのまま放置していた場合には、Bは、Aを所有者だと信頼して買ったCに対抗できない。

胡桃「これも条文と基本的な判例の知識を問うだけの問題だわ」
建太郎「うん。そうだな」

胡桃「まず、1はどうかしら?」
建太郎「他人物売買の担保責任の問題だな」

(他人の権利の売買における売主の義務)
第五百六十条 他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。

(他人の権利の売買における売主の担保責任)
第五百六十一条 前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。

建太郎「他人物売買も有効だけど、売主が権利を取得して買主に移転できなければ、買主は契約解除ができると。この契約解除は、善意か悪意はか問わないんだよな」
胡桃「そうね。それに対して、損害賠償は、悪意だとできないということね」
建太郎「うん。OK」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「時効取得の問題だな。条文そのままだ」

(所有権の取得時効)
第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

建太郎「占有を二十年継続すれば、悪意でも時効取得できる」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「相手方が取消権を行使した場合は、もはや、本人が追認することはできないんだよな」

(無権代理の相手方の取消権)
第百十五条 代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。

胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「条文そのままの出題だな」

(無権代理人の責任)
第百十七条 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2 前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。

建太郎「無権代理人の相手方は、本人に対して責任追及ができるけど、悪意、又は有過失の場合は、責任追及ができないと」
胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「これは、虚偽表示同様の関係だよな」

(虚偽表示)
第九十四条 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

胡桃「そうね。虚偽表示の規定が類推適用されるというのが判例よ。というわけで、答えはどれかしら?」
建太郎「4だな」

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