宅建士試験過去問 法令上の制限 国土利用計画法 2-37 平成27年 / 宅建はライトノベル小説で勉強しよう

国土利用計画法第23条の事後届出に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、都市計画区域外において、Aが所有する面積12000平方メートルの土地について、Aの死亡により、当該土地を相続したBは事後届出を行う必要はない。
2、市街化区域において、Aが所有する面積3000平方メートルの土地について、Bが購入した場合、A及びBは事後届け出を行わなければならない。
3、市街化調整区域に所在する農地法第3条1項の許可を受けた面積6000平方メートルの農地を購入したAは、事後届出を行わなければならない。
4、市街化区域に所在する一団の土地である甲土地(面積1500平方メートル)と乙土地(面積1500平方メートル)について、甲土地については、売買によって所有権を取得し、乙土地については、対価の授受を伴わず、賃借権の設定を受けたAは、事後届出を行わなければならない。

美里「これも簡単な問題だよ」
建太郎「んっ……。正しいのがいくつもあるように見えるけど……」
美里「ひっかけ問題も交じっているから、問題文をよく読んでよね」

美里「まず、1はどう?」
建太郎「つまり、相続が土地売買等の契約に当たるのかという問題だよな」

(土地に関する権利の移転等の許可)
第十四条  規制区域に所在する土地について、土地に関する所有権若しくは地上権その他の政令で定める使用及び収益を目的とする権利又はこれらの権利の取得を目的とする権利(以下「土地に関する権利」という。)の移転又は設定(対価を得て行われる移転又は設定に限る。以下同じ。)をする契約(予約を含む。以下「土地売買等の契約」という。)を締結しようとする場合には、当事者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。その許可に係る事項のうち、土地に関する権利の移転若しくは設定の予定対価の額(予定対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積つた額。以下同じ。)の変更(その額を減額する場合を除く。)をして、又は土地に関する権利の移転若しくは設定後における土地の利用目的の変更をして、当該契約を締結しようとするときも、同様とする。
2  前項の規定は、民事調停法 (昭和二十六年法律第二百二十二号)による調停に基づく場合その他政令で定める場合には、適用しない。
3  第一項の許可を受けないで締結した土地売買等の契約は、その効力を生じない。

美里「そうだよ」
建太郎「土地売買等の契約は、対価を得て行われる移転又は設定に限るんだよな。相続は対価を得てのものではないから、該当しない」
美里「そうだね。どれほど広い土地を相続しても事後届出は必要ないよ。次、2はどう?」
建太郎「市街化区域の面積要件は……」

(土地に関する権利の移転又は設定後における利用目的等の届出)

第二十三条  土地売買等の契約を締結した場合には、当事者のうち当該土地売買等の契約により土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる者(次項において「権利取得者」という。)は、その契約を締結した日から起算して二週間以内に、次に掲げる事項を、国土交通省令で定めるところにより、当該土地が所在する市町村の長を経由して、都道府県知事に届け出なければならない。
一  土地売買等の契約の当事者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二  土地売買等の契約を締結した年月日
三  土地売買等の契約に係る土地の所在及び面積
四  土地売買等の契約に係る土地に関する権利の種別及び内容
五  土地売買等の契約による土地に関する権利の移転又は設定後における土地の利用目的
六  土地売買等の契約に係る土地の土地に関する権利の移転又は設定の対価の額(対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積つた額)
七  前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
2  前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合には、適用しない。
一  次のイからハまでに規定する区域に応じそれぞれその面積が次のイからハまでに規定する面積未満の土地について土地売買等の契約を締結した場合(権利取得者が当該土地を含む一団の土地で次のイからハまでに規定する区域に応じそれぞれその面積が次のイからハまでに規定する面積以上のものについて土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる場合を除く。)
イ 都市計画法第七条第一項 の規定による市街化区域にあつては、二千平方メートル
ロ 都市計画法第四条第二項 に規定する都市計画区域(イに規定する区域を除く。)にあつては、五千平方メートル
ハ イ及びロに規定する区域以外の区域にあつては、一万平方メートル
二  第十二条第一項の規定により指定された規制区域、第二十七条の三第一項の規定により指定された注視区域又は第二十七条の六第一項の規定により指定された監視区域に所在する土地について、土地売買等の契約を締結した場合
三  前二号に定めるもののほか、民事調停法 による調停に基づく場合、当事者の一方又は双方が国等である場合その他政令で定める場合
3  第十五条第二項の規定は、第一項の規定による届出のあつた場合について準用する。

建太郎「市街化区域にあつては、二千平方メートルだから、3000平方メートルなら届出が必要だな」
美里「ブー。不正解」
建太郎「えっ?何が違うんだ?」
美里「事後届出は誰がするの?」
建太郎「あっ。権利取得者か!ということは、Bだけが事後届出をしなければならないと」
美里「そうだよ。基本だから、しっかり押さえてよね」
建太郎「数字ばかりに囚われていると足元をすくわれるということだな」
美里「3はどう?」
建太郎「市街化調整区域は、五千平方メートル以上なら届出が必要なんだよな。面積6000平方メートルということで届出必要なように見えるけど、農地の売買なんだよな」
美里「23条2項三号の『その他政令で定める場合』に当たるかどうかが問題になるということだよ」
建太郎「うん。政令を確認しろということか」

国土利用計画法施行令
(土地に関する権利の移転又は設定後における利用目的等の届出を要しない場合) 抜粋
第十七条  法第二十三条第二項第三号 の政令で定める場合は、土地売買等の契約の締結が次に掲げる場合に該当して行われたものである場合とする。
一  第六条第二号から第八号まで、第十号又は第十一号に掲げる場合

(土地に関する権利の移転等の許可を要しない場合) 抜粋
第六条  法第十四条第二項 の政令で定める場合は、次のとおりとする。
七  農地法 (昭和二十七年法律第二百二十九号)第三条第一項 の許可を受けることを要する場合(同項 各号に掲げる場合のうち国土交通省令で定める場合を含む。)

建太郎「農地法第三条第一項の許可を受けることを要する場合は、該当するということだな」
美里「農地法第三条第一項ということは、どういう場合かわかるよね?」
建太郎「農地を農地のまま売買する場合だよな」

農地法
(農地又は採草放牧地の権利移動の制限) 抜粋
第三条  農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。

美里「そうだよ。農業委員会の許可があるわけだから、重ねて届出をする必要はないということだよ。ちなみに、農地法関係で事後届出が不要なのは、三条許可の場合だけだよ。五条許可の場合は、事後届出が必要だよ」
建太郎「うん。農地の転用を伴う場合だな」

農地法
(農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限)
第五条  農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。

美里「4はどう?」
建太郎「市街化区域にあつては、二千平方メートル。一団の土地取引であれば、合算後の面積で考えるわけだよな。ところで、甲土地については、売買によって所有権を取得しているから、土地売買等の契約に当たるけど、乙土地については、対価の授受を伴わず、賃借権の設定を受けたとあるから、該当しない?」
美里「そうだよ。結局、甲土地についてのみ考えればいいわけで、面積1500平方メートルだから、事後届出は不要ということになるよね」
建太郎「うん。そうだな」
美里「というわけで答えは?」
建太郎「1なんだな」

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