宅建士試験過去問 権利関係 対抗問題 2-57 平成19年 / 宅建はライトノベル小説で勉強しよう

不動産の物権変動の対抗要件に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において、第三者とは、いわゆる背信的悪意者を含まないものとする。

1、不動産売買契約に基づく、所有権移転登記が為された後に、売主が当該契約に係る意思表示を詐欺によるものとして、適法に取り消した場合、売主は、その旨の登記をしなければ、当該取消後に、当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に対抗できない。
2、不動産売買契約に基づく、所有権移転登記が為された後で、売主が当該契約を適法に解除した場合、売主は、その旨の登記をしなければ、当該契約の解除後に当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない。
3、甲不動産につき、兄と弟が各自二分の一の共有持分で共同相続した後に、兄が弟に断ることなく、単独で所有権を相続取得した旨の登記をした場合、弟は、その共同相続の登記をしなければ、共同相続後に甲不動産を兄から取得して所有権移転登記を経た第三者に自己の持分権を対抗することができない。
4、取得時効の完成により、乙不動産の所有権を適法に取得した者は、その旨の登記をしなければ、時効完成後に乙不動産を旧所有者から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない。

胡桃「これもすべて、不動産の物権変動に関する基本的な判例の知識を問う問題だわ」
建太郎「うん。俺でも正解がどれかすぐにわかったよ」
胡桃「この手の問題は、ちゃんと勉強している人ならば、誰でも確実に解けるから、ミスしたら痛いわよ」

胡桃「先ず、1はどうかしら?」
建太郎「詐欺を理由に、売買契約を取り消した場合、取消後の第三者との関係は対抗問題になるんだよな」

(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
第百七十七条  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

建太郎「買主を起点にして、売主と第三者に二重に譲渡されたのと同様の関係になるから、先に登記を備えた方が優先する。つまり、売主は、その旨の登記をしなければ、当該取消後に、当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に対抗できない」
胡桃「そうね。2はどうかしら?」
建太郎「契約を解除した場合、解除後の第三者との関係はどうなるかという問題だよな。やはり、詐欺取消と同じように、買主を起点にして、売主と第三者に二重に譲渡されたのと同様の関係になるから、先に登記を備えた方が優先する。つまり、売主は、その旨の登記をしなければ、当該契約の解除後に当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない」
胡桃「そうね。3はどうかしら?」
建太郎「共同相続人の一人が、共有状態にある不動産を単独で相続した旨の登記をしたとしても、他の相続人の持分については無権利者ということになる。選択肢3の場合、弟が共同相続の登記を備えていなかったとしても、第三者に対して、自己の持分を主張することができる」
胡桃「そうね。何度も出ている判例だから、押さえておいてね。4はどうかしら?」
建太郎「時効完成後の第三者との関係についての問題だよな。時効取得した者と旧所有者から所有権を取得した者との関係は、旧所有者を起点に二重譲渡が為されているのと同然の関係になる。民法177条の対抗問題になるわけで、先に登記を備えた方が優先することになる」
胡桃「そうね。というわけで、答えは?」
建太郎「3だね」

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