宅建士試験過去問 権利関係 借家権 2-53 平成28年 / 宅建はライトノベル小説で勉強しよう

AはBと、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間3年賃料月額20万円と定めて、賃貸借契約(以下、この問において、本件契約という。)を締結した。この場合における次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1、AもBも相手方に対し、本件契約の期間満了前に何らの通知もしなかった場合、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされるが、その期間は定めのないものとなる。
2、BがAに対し、本件契約の解約を申し入れる場合、甲建物の明渡しの条件として、一定額以上の財産の給付を申し出た時は、Bの解約申し入れに正当事由があるとみなされる。
3、甲建物の適法な転借人であるCが、Bの同意を得て甲建物に造作を付加した場合、期間満了により、本件契約が終了する場合は、CはBに対し、その造作を時価で買い取るよう請求することができる。
4、本件契約が借地借家法38条の定期建物賃貸借で、契約の更新がない旨を定めた場合でも、BはAに対し、同条所定の通知期間に期間満了により、本件契約が終了する旨の通知をしなければ、期間3年での終了をAに対抗できない。

胡桃「これも条文を読んでいれば、簡単に正誤が判断できるわね」
建太郎「うーん。どれも正しいように見えるんだよな……」
胡桃「だとしたら勉強不足よ」

胡桃「まず、1から。どの条文からの出題か分かるわね?」

(建物賃貸借契約の更新等)
第二十六条  建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。
2  前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする。
3  建物の転貸借がされている場合においては、建物の転借人がする建物の使用の継続を建物の賃借人がする建物の使用の継続とみなして、建物の賃借人と賃貸人との間について前項の規定を適用する。

建太郎「第二十六条だね。条文そのままなんだな」
胡桃「そうよ。期間の定めがあっても、『更新をしない旨の通知又は条件を変更』をしなければ、契約は自動で更新されてしまうということね。ただし、『その期間は、定めがないもの』になるということを押さえておいてね」
建太郎「OK」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「これは、第二十八条の問題だよな」

(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条  建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

建太郎「正しいんじゃないの?」
胡桃「問題文と条文をよく読んでね。財産上の給付をすれば、正当事由があるとみなされるとはしていないわ。財産上の給付をしたうえで、正当の事由があると認められる場合でなければダメだとしているのよ」
建太郎「金を払えば、自動的に追い出せるわけじゃないということか?」
胡桃「そうよ。総合的に判断されるわけね。立ち退き料は正当事由を補完するものでしかないということよ」
建太郎「なるほどな」
胡桃「3はどうかしら」
建太郎「造作買取請求権の問題だな。もちろん、転借人にも適用されるんだよな」

(造作買取請求権)
第三十三条  建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。建物の賃貸人から買い受けた造作についても、同様とする。
2  前項の規定は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了する場合における建物の転借人と賃貸人との間について準用する。

胡桃「条文そのままだわ。4はどうかしら?」
建太郎「定期建物賃貸借契約でも、期間が終了する旨の通知が必要なんだよな」

(定期建物賃貸借)抜粋
第三十八条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。

4  第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。

胡桃「期間が一年以上である場合は、という点を押さえておいてね。というわけで答えは?」
建太郎「2だね」

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→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 宅建業法1

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