民法1-13 代理 2012年問28 / 行政書士試験の勉強は、開業の準備をしてから始めよう

代理人と使者の違いに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らし正しいものはどれか。

1、代理人は本人のため法律行為を行う者であるから、代理人としての地位は、法律に基づくものの他は、必ず、委任契約によらなければならないが、使者は本人の完了した意思決定を相手方に伝達する者であるから、使者の地位は雇用契約、請負契約など様々な契約に基づく。
2、代理人は、本人のために法律行為を行う者であるから、代理権授与の時に、意思能力及び行為能力を有することが必要であるのに対し、使者は本人の完了した意思決定を相手方に伝達する者であるから、その選任の時に、意思能力及び行為能力を有することは必要ではない。
3、代理人は本人のために自ら法律行為を行うのであるから、代理行為の瑕疵は代理人について決するが、使者は本人の行う法律行為を完成させるために本人の完了した意思決定を相手方に伝達するにすぎないから、当該意思決定の瑕疵は、本人について決する。
4、代理人は与えられた権限の範囲で、本人のために法律行為を行うのであるから、権限を逸脱して法律行為を行った場合は、それが有効になる余地はないのに対し、使者は、本人の完了した意思決定を相手方に伝達するのであるから、本人の真意と異なる意思を伝達した場合でも、その意思表示が無効となる余地はない。
5、代理人は、法律または、本人の意思に基づいて本人のために法律行為を行う者であるから、本人に無断で復代理人を選任することは認められないのに対し、使者は、単に本人の完了した意思決定を相手方に伝達するにすぎないから、本人に無断で別の者を使者に選任することも認められる。

建太郎「代理と使者の違いについての簡単な問題だわ」
胡桃「うん。そうだな」

胡桃「まず、1はどうかしら?」
建太郎「代理権の付与は一般的に委任契約によってなされるけど、必ずしも、代理と委任契約がセットになっているわけではないよな。委任以外にもいろいろな契約で代理権が授与されることがある」
胡桃「そうね。使者はどうかしら?」
建太郎「やはり、契約内容はいろいろありうるよな」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「未成年者でも代理人になれるという条文があったよな」

(代理人の行為能力)
第百二条 代理人は、行為能力者であることを要しない。

胡桃「そうね。使者については、規定がないけど、なおさら、行為能力者であることを要しない。というのは分かるわね」
建太郎「OK」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「代理行為については、条文そのままだな」

(代理行為の瑕疵)
第百一条 意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
2 特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。

胡桃「使者はどうかしら?」
建太郎「規定はないけど、選択肢の通りに解されていると」
胡桃「そうよ。4はどうかしら?」
建太郎「代理人が権限外の行為を行った場合は、権限外の表見代理が成立する可能性があるよな」

(権限外の行為の表見代理)
第百十条 前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

※(代理権授与の表示による表見代理)
第百九条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

胡桃「そうね。じゃあ、使者の場合はどうかしら?」
建太郎「本人の錯誤の問題になるんだっけ」
胡桃「そうよ。内心と表示行為に齟齬が生じているとみることができるわけだから、錯誤になるわ」

(錯誤)
第九十五条 意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

胡桃「次、5はどうかしら?」
建太郎「復代理人の選任については、法定代理と任意代理とで違っていたよな」
胡桃「そうね。条文を確認しておくわよ」

(法定代理人による復代理人の選任)
第百六条 法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、前条第一項の責任のみを負う。

(任意代理人による復代理人の選任)
第百四条 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。

建太郎「法定代理は、自己の責任で復代理人を選任することができる。任意代理は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときに限ると」
胡桃「そうよ。それに対して、使者の場合はどうかしら?」
建太郎「特に規定はない?」
胡桃「ないわね。単に伝言を伝えるだけだから、伝言ゲームをやってもいいということよ」
建太郎「ということは、答えは、3だな」

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